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ハワイ島ツアーレポート2019Big Island Tour Report

ハワイ島で一番人気のツアーを体験レポートとしてまとめました。ツアー選びのご参考に是非ご覧ください。

02  Big Island Spectacular + Waterfalls
July 2019

掲載のツアー情報

  • ビッグアイランド・スペクタキュラー(滝への着陸付き)
  • ハワイ島ワイコロア 12:15発
  • 2019年7月
  • 投稿者:みや(弊社ウェブ制作担当)

この体験を端的に表現すると?

  1. 一番感動したのはコハラの渓谷と滝だった!
  2. 雨は楽しみを増やす。特に増水した滝がダイナミック!

担当は日本人パイロット 望月Toshi

勤続20年の彼は、ブルーハワイアンで一番のベテランであると同時に、唯一の日本人パイロットです。弊社(アロハブリーズ)へ届く予約フォームには「Toshiさん希望」というリクエストがいっぱい。もちろん英語解説でも十分に絶景を楽しめますが、日本語で解説を聞くことによって、単なる「わあ、すごい!」から根拠のある感動に変わるんです。

「あれは何だろう?」「なぜ?」

ツアー中に湧き出てきた疑問は、すぐ質問して即すっきり。モヤモヤを残しません。これはツアーの満足度を左右する大きなポイントの1つです。

今日の搭乗メンバーは6名全員が日本人。だから、オール日本語解説。中身の濃い最高の環境です!

Toshi

元気いっぱいのToshiさん。フレンドリーな彼に何でも聞いてみよう!

Toshiの日本語ツアー

日本人パイロットToshiは2022年11月にセミリタイアし、不定期での勤務となりました。現在の日本語案内は主にKAIが担当しております。オプションでの日本語案内の確約、Toshiの今後の勤務予定などは、下記にてご確認いただけます。

日本語案内の確約・リクエスト

テイクオフ

さあ、出発です!しかし今日は天候がイマイチ。すぐに雨も降り出しました。どうなることやら。

Toshi:「今日はキラウエア火山の天気が悪いので、別ルートを飛ぼうと思いますけど良いですか? 代わりに普段見られないものをお見せします!」

そっか、キラウエアには行けないのか~。それは残念。キラウエアは2018年の噴火で山頂が大きく変貌しているんです。でも、珍しい体験ができるのは大歓迎。この雨はすぐ止むから心配ないとの言葉通り、天気は次第に回復していきました。

出発

「天気はどうかな?」その日のベストルートを判断

ワイメア方面へ

普段は一気にキラウエア火山へ向かいますが、今日はそんなわけで別ルート。北のワイメア方面へ飛行中です。

マウナケアの北麓に広がるのは、全米最大規模のパーカー牧場です。噴石丘が一直線に立ち並ぶ姿はいかにも火山で、激しい噴火をしていた時代があったことを物語っていますが、今は爽やかさ100%。柔らかな緑の大草原が続いています。

パーカーランチ

直線状に噴石丘が並ぶパーカーランチ(牧場)

北麓から望むマウナケア

先ほどまで厚い雲に覆われていた霊峰マウナケアが、時折姿を現しはじめました。標高は富士山より400mも高く、4,205mあります。雲間から垣間見える荒涼とした山肌が "神の住む山" の威厳を醸し出しています。

マウナケア

雪の女神ポリアフが住まうマウナケア

雨からのプレゼント

あっ、虹だ!

ヘリの下にくっきりと虹が架かっています。真昼に見ることが出来るのは、ヘリコプターだからこそ。しかもよく見るとダブルレインボーです。嬉しいなあ! 虹は幸せな気持ちにさせてくれますね。

雨の恵み

ハカラウの森

ここはマウナケアの東側、ハカラウ・フォレスト国立野生生物保護区。樹齢1,000年を超えるオヒア(ハワイ固有種の木)が茂る太古の森です。

そのオヒアが今、ラピッド・オヒア・デスという対処法の見つからない病気によって深刻な状況にさらされています。外来種の侵入を防ぐために人間の出入りを極端に制限するなど、大切に守られてきたハカラウの森。上部が白く枯れた枝が目立っていて心配になりました。

南北10km、広大なハカラウ・フォレスト国立野生生物保護区

ヒロが見えてきた

マウナケアを時計回りに西から東へ、ぐるりと半周回ってきました。ここまで約30分。ダニエル・イノウエ・ハイウェイ(サドルロード)の先にはヒロが見えています。

Toshi:「キラウエアの天気が回復してきているようだから、行ってみましょう!」

わあ、本当!?
日々多くのお客様からご予約をいただきますが、この1回のフライトは誰にとっても特別です。だから、ツアー開始後であってもベストを見せようと果敢に挑戦してくれるToshiさんの気持ちが嬉しい!

ヒロ-コナ間を最短距離で繋ぐサドルロードは、こんなに大きな森の中を駆け抜けている

雨のカーテン

青空の下にある雲から雨が降り注いでいます。それはまるで明るい光の中で揺らぐカーテンのよう。自然が創り出すものって美しい。

空から探す思いがけない発見も楽しい

ハワイ火山国立公園/ナパウ クレーター

キラウエア火山は唐突に現れました。

緑を眺めていたかと思ったら急に真っ黒な溶岩台地になり、その向こうにプウオオ、そして一瞬にしてマカオプヒ・クレーターが目の前に飛び込んできたんです。地上でのスピード感と全く違うことに驚きますね。

写真はナパウ・クレーターです。亀裂噴火の様子がよく分かるように、ヘリは亀裂と平行に飛んでくれました。

かなり大きな火口、ナパウクレーター

ハワイ火山国立公園/プウオオ火口

そのナパウ・クレーターから手が届く位置に見えているのがプウオオです。大きな見所のひとつでもあり、自然と胸が高鳴ってしまう!

プウオオは2018年までの35年間に、莫大な量の溶岩を流しました。2017年まで、海に流れ込む溶岩や地表を流れる真っ赤な溶岩を間近で楽しませてくれたのは、すべてこのプウオオです。今日の火口は水蒸気がもうもう。噴煙を上げていた往時の佇まいを彷彿させ、雰囲気抜群です。機内の皆さんも釘付け!

水蒸気が立つ火口を見られる確率が高いのは、早朝や雨の日

全方向から写真が撮りやすいように、空中で静止しながら少しずつ旋回してくれています。「みなさん、ちゃんと撮れましたか?」との声掛けもありました。こういった場面で、Toshiさんの細かな気配りに気付かれるリピーターさんもいらっしゃるのではないでしょうか。

プウオオ/何層もの重なりが見える赤茶けた火口壁

色鮮やかな海岸線

海岸線に出ました。無彩色の世界から景色は一変。海の鮮やかな青いグラデーション、白い雲とその影が創り出すコントラストに、一瞬で目を奪われました。

流した溶岩の量が桁違いなだけに、海側から眺めたプウオオも圧倒的な迫力です。

黒い大地に鮮やかな海の色が映える

ポホイキ港と亀裂8番の溶岩跡

2018年、レイラニ地区から大規模に流れた溶岩が見えてきました。かなり広い範囲が覆われています。800件近くの家屋が焼失したニュースは、日本でも連日報道されていましたよね。

しかし地元では、火山の女神ペレが流す溶岩は創造であって破壊ではないと考えられていることを、Toshiさんが丁寧に解説してくれました。昔からそれを受け入れて暮らしてきたのだそうです。

ハワイアンは21世紀の今を生きながら、一方では神話の中でも生きているんですね。フラと共に、この先も脈々と伝承されていくのでしょう。

2018年の新しい溶岩流が創った大地

新しく誕生したポホイキの黒砂ビーチの上空を、空中で静止しながらゆっくり見せてくれました。ここは以前、小さな港だったんです。溶岩ボートツアーもここから出航していました。それがわずか2か月で こんなに様変わりしてしまうなんて!

アイザック ハレ(ヘイル)ビーチパークの黒砂海岸は新名所

ヒロ

海岸線伝いにヒロへやってきました。

空港や大型客船、バニヤンドライブ周辺のホテル群やヒロ湾に浮かぶココナッツアイランドなど、ヒロの町のあれこれが箱庭のように見えます。

緑があふれる町、ヒロ

アカカ滝

ヘリはハマクアコーストを北上中。島の東側は、何色もの鮮やかな緑に彩られて本当に綺麗。今日はアカカ滝も見せてもらえました!

「落差はたったの134mです。」

ん?
たった134m?

空から見たのは初めてのアカカ滝

ワイピオ渓谷

さあ、渓谷への入口です。最初の渓谷はワイピオ。なんて麗しいんでしょう。展望台から見ると渓谷の一部しか見えませんが、海から正面で見ると、奥に向かって深く複雑な形に広がっていることがよく分かります。

有名なヒイラヴェの滝(左側の谷)も見えた

ワイマヌ渓谷の絶景滝めぐり

その先に現れたのが、ワイマヌ渓谷です。無意識のうちに何度も「すごーーーい!!」と叫んでしまうほど、感動が次々と押し寄せてくる場所でした!

ワイイリカヒと呼ばれる3段に落ちる滝は、落差が大きすぎて1枚の写真に全く納まりません。ヘリは山肌ぎりぎりに、そしてゆっくりと2段目の滝に近づきました。雨が続いた後だったからか水の勢いはすさまじく、それが一気に流れ落ちていきます。

「ここでも、落差はたったの500mです。」

ん?
500mでも たった?
これは最後に凄いものが来るぞ。

ワイイリカヒ。この写真じゃ凄さが全く伝わらないよ涙。超広角レンズが必要。

そして、こちらがキーホール(鍵穴)。弧を描いた山肌に幾筋もの水が糸のように伝う優美な姿。…って、まてまて。この滝、スケールが全く違う!

「落差は800m。ここは世界で14番目に高い滝なんです。」

うわあ、800mって!
そりゃ、アカカ滝が「たった130m」なわけだ。

鍵穴の中に包まれたヘリは、しばらく空中で静止。そこには もはや感動しかありません。このままずっと時間を止めてこの世界に浸っていたい! きっと誰もがそう思うことでしょう。滝を見てこんなに心を震わせたことなんて、今までありませんでした。

雨の後は滝が幾筋にもなって流れ落ち、特に素晴らしい

海岸線の断崖

海岸線の断崖も見事というしかありません。海から垂直に切り立った壁が、限りなく向こうまで続いています。そこから何本も何本も、あふれるように滝が流れ落ちているんです。もう完全に映画の世界だよ、これ。

滝への着陸(ナコオカ)

圧倒的な海岸線の美しさを夢中になって眺めていたせいか、今から滝へ降りるという案内を全く聞いていませんでした(笑)

ナコオカの着陸地点は狭く、木々が葉を広げていたりしていましたが、ヘリは迷いなくスッと降りました。こんな場所に着陸できるヘリコプターも凄いけれど、こんな場所に着陸させてしまうToshiさんも凄いよ!

天井のガラスが視界を広げてくれるのが素晴らしい

滝で過ごす特別な時間

人が踏み入ることのない秘境に降りた私たち。壁のようにそびえる断崖とワイカロア滝が目に飛び込んできました。

雨が続いた後で水量が増し、けれど水に濁りはなく、快晴の空に水しぶきがキラキラ舞っています。ああ~、ホント気持ちがいい!! 呼吸するたびに身体が細胞レベルから生まれ変わっていく、そんな感じ。

新婚さんの可愛い奥さまは下草の上に転がり、滝を下から覗き込むようにして迫力ある写真を撮影されていました。皆さん、思い思いの時間を楽しそうに過ごしています。

かなり落差がある見事なワイカロア滝

海側にはプライベート感たっぷりのベンチがあります。ここで海を眺めながら過ごすのも素敵ですね。新婚さんカップル、めちゃくちゃ楽しそうでした!幸せのひとコマをぱちり♪

良い思い出になりそう

こんな非日常の世界では、誰であってもカッコいい写真が撮れてしまいます(笑)せっかくですから、Toshiさんに記念撮影も頼んでしまいましょう。

癒しの秘境にまだまだ居たかったけれど、そろそろ出発しなければいけません。

滝とヘリ。日常にはないカッコいい構図。

ホノカネヌイ渓谷

ヘリは海岸線から少し内陸に入りました。

Toshi:「これで終わったと思ったでしょ? でも、実はまだ凄い渓谷があるんです。」

それがここ、ホノカネヌイ渓谷。うわあ、大きい!!深い!! 無数の滝から流れ込んだ水が沢を作り、谷底を這うように流れています。いや、何というか…凄いとしか言葉が出ません。

ホノカネヌイはハワイ語で、ホノ(渓谷)カネ(男)ヌイ(大きい)→「大きな男の渓谷」の意味

主役は渓谷と滝だ

ホノカネヌイ渓谷(大きな男の渓谷)のすぐ隣にはホノカネイキ渓谷(小さな男の渓谷)も寄り添っていて、大小セットで圧倒的な存在感を放っています。

渓谷と聞けば山の連なりを想像しますが、コハラの渓谷は最上部がほぼ平らで、急にストンと下に落ちて渓谷が出来ています。面白いですよね。山が連なる形になるまでには、まだ何千年も何万年も必要なのかも。

「このツアーの一番の見どころは、キラウエアじゃなくてコハラの滝と渓谷だよ。」

これはかなり前からToshiさんが何度も言っていた言葉なんですが、いつも半信半疑でした(ごめん 笑)でも、ハイ、完全に納得です。滝と渓谷はこの島で主役が張れる。間違いない。

手前がホノカネイキ。渓谷の上は平地が続く。

雨が作る大地の溝

島の西側に近くなってきました。雨が流れて出来た溝がいくつも見えます。これらが長い年月をかけて成長し、今見てきたような大きな渓谷を造るんですね。ワイコロアに近づくほど雨が少なくなるので、大地に刻まれた溝も浅くなっていくのが分かります。

雨量が少ない地域へ移動するにつれて、溝が浅くなっていく

ワイコロアヘリポートへ

ワイコロアビレッジが見えてきました。ここまで来たら、あっという間に到着です。

あー、楽しかった!! 大きな感動がぎゅっと凝縮された2時間の旅でした。地域ごとに特徴が全く違うから、変化が面白くて飽きることがないんです。そして、なぜハワイで自然信仰が生まれ、21世紀の今でも変わらずに受け継がれているのか、その答えの一部分を垣間見た気がします。地球の営みを全身で感じられるツアーでした。

Toshiさん、ありがとう! ツアーの後にこんな満足感が得られるのは、日本語解説だからという理由だけではないでしょう。ツアーを通して何を伝えたいかを、彼は明確にイメージしています。それを自分の言葉でストレートに伝えてくれるから、話を聞く側の心にも響く。そこが断然違うし、断然いいんですよね。

ヘリポートはワイコロアビレッジのすぐ先